少年探偵のデジタル・スケッチパッド 第2巻 書籍カバー

Novel / Vol.2 — 発売中

少年探偵のデジタル・スケッチパッド 第2巻

「デジタルデータでは計測できない"想い"がある。」
雨上がりの千方神社。タブレットに映し出されたのは、
30年前の少女からの《警告》──シリーズ第2弾。

Details — 書誌情報

  • タイトル少年探偵のデジタル・スケッチパッド 第2巻
  • 著者楠柾(Masaki Kusunoki)
  • 発行元紡出版
  • ブランドクスノキ出版
  • ISBN978-4-9914597-1-9
  • ジャンル児童文学/ミステリー
  • 形態Kindle電子書籍・ペーパーバック
  • 判型四六判(127×188mm)
  • 発売日2026年2月1日(発売中)
  • 定価¥1,500(税込)
  • 言語日本語

Preview

試し読み

物語の入り口を、二つの場面から。

図書館で郷土資料を開く三人

第1章 / 三人の決意

加須市立図書館は、千方神社の目と鼻の先にあった。館内は、紙とインクの匂いが混じり合った独特の静けさに満ちていた。本棚が並ぶ空間はまるで深い水底のように、外の世界の喧騒を吸い込み、沈殿させているようだった。

「地域資料のコーナーは、こっちだよ」──穂乃香が小声で案内してくれた棚には、この街の歴史や民俗学に関する背表紙がずらりと並んでいる。神社の由来、古い地図、地域の伝承。手がかりになりそうなものは、片っ端から開いていく。

──やがて、もう一人の声がこの棚の前で響く。「あれ? 海堂と野口さんじゃん」

暗い地下、扉の向こうに降りていく三人

第5章 / 旧給水塔と制服の記憶

「……気をつけて、開けよう」──僕が言うと、拓海が慎重に扉を押した。ギギギ……と音を立てて、扉が開く。中は、さらに暗い空間。階段が、地下へ続いていた。

一段降りるたびに、まとわりつくような熱気が剥がれ落ち、代わりにカビと錆びが混じった冷気が、足元から這い上がってくるのが分かった。地下室。狭い空間に、古い機械の残骸が置かれている。配管、バルブ、制御盤──。

──三十年、誰も触れなかった部屋の隅で。僕らは、ある古い「記録」を拾い上げる。

──物語の続きは、本編で。