Novel / Vol.2 — 発売中
少年探偵のデジタル・スケッチパッド 第2巻
「デジタルデータでは計測できない"想い"がある。」
雨上がりの千方神社。タブレットに映し出されたのは、
30年前の少女からの《警告》──シリーズ第2弾。
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物語の入り口を、二つの場面から。
第一章 / 信じてもらえなかった光
加須市立図書館は、千方神社の目と鼻の先にあった。
『市民プラザかぞ』という看板が掲げられたグレーの五階建ての建物に入ると、外の熱気が嘘のようにひんやりとした空気に包まれた。汗ばんだ肌が急速に冷えていくのを感じながら、僕たちは奥にある図書館の入口へと向かった。
誰もが小さな声で話している。本棚が並ぶ空間は深い水底のようで、外の世界の喧騒を吸い込み、沈殿させていた。
「地域資料のコーナーは、こっちだよ」
穂乃香が小声で案内してくれた棚には、この街の歴史や民俗学に関する背表紙がずらりと並んでいる。
僕たちは手分けして資料を探し始めた。神社の由来、古い地図、地域の伝承。手がかりになりそうなものは片っ端から開いていく。
──やがて、もう一人の声がこの棚の前で響く。「あれ? 海堂と野口さんじゃん」
第五章 / 旧給水塔と制服の記憶
僕が慎重に扉を押すと、ギギギ……と音を立てて、扉が開いた。中は、さらに暗い空間。階段が、地下へ続いていた。
「地下……があるんだ」
僕がそう言うと、拓海が懐中電灯を握り直した。
「気をつけて」
穂乃香が小さく言った。拓海も、頷いた。
足跡は、階段の下へと続いていた。僕たちは顔を見合わせ、意を決して階段を降りていった。一段降りるたびに、まとわりつくような熱気が剥がれ落ち、代わりにカビと錆びが混じった冷気が足元から這い上がってくるのが分かった。
地下室。狭い空間に、古い機械の残骸が置かれている。配管、バルブ、制御盤。
──三十年、誰も触れなかった部屋の隅で。僕らは、ある古い「記録」を拾い上げる。
──物語の続きは、本編で。

